こんにちは! 病院で管理栄養士として働いています、ラパンです。
糖尿病や心疾患、腎臓病、脂質異常症などの患者様を中心に栄養指導業務を100時間以上実施、去年、糖尿病の生活指導のエキスパートとして、「日本糖尿病療養指導士」の資格を取得しました。
この記事では、糖尿病の宅配食について説明します。
宅配食とはエネルギーや塩分などの栄養成分がコントロールされた食事が自宅に届くサービスの事です。
調べて頂くとわかるとおり、種類、内容、金額など様々です。
そのため、どれが自分にとって適切か選択することが難しいと思います。
- 糖尿病の宅配食を検討しているが、色々ありすぎてどれが自分にあっているかわからない
- 宅配食のデメリット、メリットが知りたい
- それぞれの企業の宅配食の内容やサービスの違いが知りたい
といった疑問を解消することができる内容になっていると思いますので、最後までご覧ください。
目次
- 宅配食のデメリット、メリット
- 種類別宅配食の良い所、悪い所まとめ
- あなたに合うのはどの商品?企業別宅配食の特徴、栄養成分、金額まとめ
1.宅配食のデメリット、メリット
宅配食にはメリットが多く利用を考えている方は利用をお勧めしていますが、デメリットも存在します。
まずは、宅配食のデメリット、メリットについて解説します。
~デメリット~
- 長期間利用する事で飽きる可能性がある
利用する頻度も関係すると思いますが、毎食、毎日利用するとなると途中で飽きてしまう可能性もあると思います。
ただ、企業によっては3ヶ月に1回、メニューの見直しを行い、食事内容の見直しを行っていたり、種類を多く設けることで飽きさせない工夫をしています。
- ある程度まとまった量で郵送されるため、保管場所がかさばる
宅配食は多くの場合、冷凍で届くのですがある程度まとまった量で頼まないと送料がかかることがあります。
そのため、利用する場合に数個1度に郵送されると、保管場所に困ることもあるかもしれません。
冷凍庫のスペースを確保する必要があるかもしれません。
- 値段が高いと感じることもあり、経済的な負担となる場合もある
宅配食(お弁当タイプ)の値段は大体ご飯なしの弁当で500円台後半から800円台の物が多いです。
コンビニやスーパーマーケットのお弁当と比べるとやはり割高であることは否めないと思います。
さらに、前述した通り一定金額以上を買わないと送料がかかる事があります。
~メリット~
- バランスの良い食事を手軽に食べる事ができ、普段の食事のお手本にすることができる
宅配食の多くは栄養士が監修しており、エネルギーや塩分などの栄養成分がコントロールされています。
そのため、バランスの良い食事を手軽に食べることができ、普段の食事のお手本として量や味付けなどを参考にすることもできます。
- 料理の時間や手間を省くことができる
宅配食の多くは電子レンジで加熱する、炒めるだけなど調理が簡単な物が多いです。
そのため、普段自炊をしない方、料理が億劫な時に非常にオススメです。(調理が面倒な時にスポット的に利用しても良いでしょう)
- 栄養士が食事指導をしてくれるサービスもある
企業によっては血液検査のデータなどをもとに食事指導をしてくれるサービスもあります。
- 栄養成分が明確で安心して食べられる
宅配食は便利な面もありますが、デメリットも持ち合わせています。しかし、依然と比べて需要が増えてきている事もあり、美味しく使いやすい物になってきているのは確かです。
2.種類別宅配食の特徴、良い所、気になる所まとめ
宅配食の種類は大きく分けて3つあります。
1つ目が「お弁当タイプ」、2つ目が「食材お届けタイプ」、3つ目が「レトルトタイプ」です。それぞれの特徴、良い点、気になる所を説明します。
1.お弁当タイプ
~良い所~
・比較的安価
前述した通り、宅配食はコンビニやスーパーマーケットのお弁当と比べれば値段が少し高いですが、他の2つのタイプと比べると比較的安価な物が多いです。(企業によって差はあるが、1食454円~930円前後)
・種類が豊富で飽きにくい
多いところでは100食以上のお弁当から自分の好みの物を選ぶことができます。また、企業によっては数ヶ月に1度メニューの入れ替えを行っており、飽きさせない工夫があります。
・栄養成分が厳格にコントロールされている
他の食材お届けタイプやレトルトタイプよりも1食あたりのエネルギー量や塩分量が明確に決められているため、しっかりと栄養管理をすることができます。
・食事の準備が簡単
電子レンジで調理すれば食べることができるため、自炊が難しい方や料理を作るのが億劫な時など非常に便利です。
~気になる所~
・味気なさを感じることがある
使う頻度にもよると思いますが、毎日、毎食弁当箱の食事で同じようなメニューが繰り返されると味気がないと感じる方もいるかもしれません。
2.食材お届けタイプ
~良い所~
・出来立てを食べることができる
その場で作るため、他のタイプと比べて作った料理感が強くなります。出来立てを食べることができるため、お弁当が味気ないと感じる人は良いかもしれません。
・調理が比較的簡便、調理時間が短くて済む
お弁当タイプやレトルトタイプと比べるとハードルは高いですが、食材がカット済みでレシピもあるため、包丁が苦手な方、調理経験が少ない方でも栄養に配慮した料理を作って食べることができます。
~気になる所~
・お弁当タイプほどの厳格な栄養成分のコントロールがない
・種類が少ないため、飽きてしまう可能性がある
3.レトルトタイプ
~良い所~
・比較的安価な物が多い
この後詳しく説明しますが、1つ100円台から買うことができる物もあり、他のタイプと比べると比較的リーズナブルな物が多いです。イオンなど取り扱いがあればスーパーマーケットで買うことができます。
・食事の準備が簡単
湯煎や流水解凍で食べることができるため、簡単に準備することができると思います。
~気になる所~
・数が少なく、飽きやすい可能性大
お弁当タイプや食材お届けタイプと比べ、圧倒的に数が少ないため、レトルトタイプのみで食事を管理しようとすると少し無理があるかと思います。
・お弁当タイプほど厳格な栄養成分のコントロールがない
通常のレトルト食品よりはエネルギーや塩分に配慮されていますが、そうはいっても厳格な制限がないものが多いです。
ここまでの説明で、宅配食について少しイメージが持てましたか?
3つの中で使いやすさや金額面、飽きずに続けられるかなど様々なことを考慮すると、個人的にはお弁当タイプが一番オススメです。しかし、それぞれのポイントを理解していただき、ご自身の生活にあった商品を選んで頂けると良いと思います。
3.あなたに合うのはどの商品?企業別宅配食の特徴、栄養成分、金額まとめ
例えばお弁当タイプと一括りにいっても様々な企業で取り扱いがあり、詳しく調べてみるとそれぞれ特徴があり、千差万別です。
ここからは企業別で特徴、栄養成分、金額に着目し、まとめたいと思います。
タイプ | 企業名 | 特徴 | 栄養成分 | 金額 |
お弁当タイプ | ファンデリー | ・おかずのみとご飯付きの物あり ・栄養士による食事相談サービスあり ・数ヶ月に1度メニューの大半を入れ替える ・エネルギーに配慮したスイーツもある | 1食あたり300kcal未満 (ご飯付きは500kcal未満) 塩分2g未満 | 1食648~748円 |
お弁当タイプ | ヘルシーネットワーク | ・おかずのみ ・糖質10g以下、野菜や海藻類など100g以上使った弁当あり | 1食あたり300kcal以下 塩分2g以下 | 1食560~929円 |
お弁当タイプ | 武蔵野フーズ | ・おかずのみ ・冷凍おかずがすでに7食セットになっている(1つずつ弁当を選ぶことができない) ・量が少なめのセットがある | 1食あたり185~270kcal 塩分1.5~2g以下 | 7食セット3178~4669円 (1食454~667円) |
食材お届けタイプ | ウェルスダイニング | ・1~2人前で選ぶことができるため、無駄なく作ることができる ・冷凍でまとめて配送 ・お弁当タイプもあり | 1食あたり240~270(±10%)kcal 塩分2.0~2.5g以下 糖質15g以下 | 7食セット5184円 (1食約741円) |
レトルトタイプ | わんまいる | ・国産食材100% ・和食以外に洋食、中華などもあり ・冷凍でまとめて配送 ・温菜は湯煎調理、冷菜は流水解凍 ・1人前から選択可 ・管理栄養士の他、料理人も監修 | 1食あたり400kcal以下 塩分3.5g以下 糖質30g以下 (5食平均) | 5食セット4480円 (1食約896円) |
レトルトタイプ | ひまわり | カレーやハヤシライスなど1品料理が多い | 明確な栄養成分の基準記載なし | 162~354円 |
こちらで紹介した企業と宅配食は一例です。(金額など内容は2023年7月現在の情報)
個人的には「ファンデリー」さんの商品がオススメです。
私は大学生の時、宅配食を実際に頼んで食べてみたことがあります。20代男性の感想として、このエネルギー量や塩分でこんなに美味しくて健康的な食事が食べられるのかと思いました。味付けが薄い、満足感がないという事はなかったです。
オススメはやはりお弁当タイプですが、ご自身の生活や使い方にあわせて選び、利用を検討して頂けたらと思います。
コメント