こんにちは、ラパンです。
今回は、夕木春央さんが書いた「方舟」を読みました。
結論、めちゃくちゃ面白いです、そして衝撃のラストに息が止まりそうでした!
山奥のスマホも圏外の違法建築、通称「方舟」で地震が起き、9人が閉じ込められてしまいます。さらに約1週間後には建物が水没するという緊迫した状況で、殺人事件が起きます。
果たして犯人は誰なのか、そして建物が水没する前に脱出はできるのか?ワクワクハラハラが止まりませんでした。
詳細についてはネタバレになるため、魅力をうまく伝える事が難しいですが、とにかく騙されたと思って読んで頂きたいです。
それでは、この小説の魅力を伝えていけたらと思います。
~作品情報~
題名:「方舟」
著者:夕木春央
出版:株式会社講談社
ページ数:301ページ
目次
- 極限状況から脱出できるのか?犯人は誰なのか?衝撃のラストは必見!
- 私が読んだ動機
- こんな人にオススメ
- 作品説明
- 次々と起こる災難や事件!絶望感、ハラハラドキドキが止まらない
- 正義とは?助かりたい気持ちと誰かを犠牲にすることへの葛藤
- 犯人は誰だ?極限状況での謎解きは楽しめること間違いなし!そして衝撃のラストは必見
- まとめ
1.極限状況から脱出できるのか?犯人は誰なのか?衝撃のラストは必見!
私が読んだ動機
- 2023年本屋大賞7位の他、様々な賞やランキングで1位をとっており、評価が良いと感じたから
- 帯の裏にある小説のあらすじや有栖川有栖さんの「この衝撃は一生もの」という言葉に興味がわいたから
こんな人にオススメ
作品説明
友人と従兄と山奥にある地下建築(通称:方舟)を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩で塞がれ、水が流入し始めた。
いずれ「方舟」は水没する。誰か1人を犠牲にすれば脱出できるが……。タイムリミットまでおよそ1週間。そんな矢先、殺人事件が起きる。
殺人事件の犯人は?誰が生け贄になるのか?そして柊一達は脱出できるのか?
タイムリミットまでのハラハラ感、謎解きの面白さ、そして衝撃のラストありの極限ミステリー小説。
次々と起こる災難や事件!絶望感、ハラハラドキドキが止まらない
「方舟」と呼ばれる違法な地下建築が物語の舞台となり、そこで災難や事件が立て続けに起きるわけですが、その状況が絶望的過ぎてワクワクドキドキが止まりませんでした。
方舟滞在時、まず地震が起きます。それにより岩で扉が塞がれ、登場人物達は閉じ込められてしまいます。この時点で結構絶望的ですが、ただ閉じ込められただけでなく、地下からは水が流入しており、何もしなければ1週間後には建物が水没して全員死ぬという状況です。しかも、脱出するには1人が扉を塞いでいる岩を下に落とす必要があり、建物に取り残されなければならないという残酷な状況が突きつけられます。この設定がこの小説のキモであり、登場人物達の心の探り合いや葛藤につながっています。そんな中、誰も予期していなかった殺人が起きます。
絶望的な状況が続きすぎじゃないですか?タイムリミットがあることでより緊張感が大きくなり、どうなってしまうの?と結末までずっと引き込まれました!
水が迫り来る恐怖の中、皆が脱出できる方法はあるのか、それとも生き残るために殺し合いが行われてしまうのか、犯人を見つけることができるのか、そして犯人に犠牲になってもらうという考えは正義なのか……物語の結末と衝撃のラストはご自身の目で確かめてみてください。
正義とは?助かりたい気持ちと誰かを犠牲にすることへの葛藤
こんな極限状態から脱出しなければいけなければあなたはどうしますか?
勿論自分自身が助かりたい気持ちが1番だと思います。しかし、暴力などにより無理矢理誰かを犠牲にすることや殺人犯を自分たちが助かるために犠牲にしたとしてそれが冤罪だったら…、また本当に犯人だとしてその1人を見殺しにすることは同じ殺人になるのではないか…など考えることはあると思います。どうするべきか正解はないと思いますが、色々と考えることはありますよね。小説の一節を紹介します。
「クソッ!本当にこれ回るんか?岩が落ちないんなら、何をやってるのか分からん―」
そう言って、彼は、巻き上げ機のハンドルに手を掛けた。(中略)
ゴリゴリという音が響いた。大岩が軋んだ。
矢崎は、すぐに手を止めた。しかし、なかなかハンドルを放そうとはしなかった。(中略)
彼はもう一度、ハンドルを回すのではないか?―そんな気がした。
途端に心の中に邪悪な期待が生まれた。もしかして、このまま矢崎は本当に大岩を落とそうというのか?(中略)もしそうなら、次の瞬間、矢崎を地下に残して、僕らが解放されるかもしれないのではないか?(中略)
「パパ!やめて!」
「だめだめだめだめ!」
弘子と、隼斗が悲鳴を上げる。
その声を聞いた途端に、僕は邪悪な期待を忘れた。そして、麻衣と一緒に叫んでいた。
「危ない!」
「やめて下さい!閉じ込められちゃう!」
矢崎は手を止めた。
夕木春央『方舟』株式会社講談社、187、188頁
極限状態から湧き出る邪念と自分の中の良心との間の葛藤や心理状態がリアルに描かれており、非常に読み応えのある小説になっていると思います。
犯人は誰だ?極限状況での謎解きは楽しめること間違いなし!そして衝撃のラストは必見!
柊一の従兄である翔太郎というキャラクターが登場するのですが、彼が非常に優秀で中心となって殺人事件の謎を解明していきます。ネタバレになるため詳細は控えますが、数多くの謎が1つにつながっていく謎解きは純粋に楽しめること間違いなしです。そして、犯人が殺人を犯した動機にはきっと戦慄すると思います。
ラストには大どんでん返しがあり、きっと衝撃を受けることでしょう!
謎が1つずつつながっていく推理と衝撃のラスト、物語の結末は是非小説を読んで楽しんで下さい。
2.まとめ
ネタバレにならないようにこの小説の魅力を伝えるのはなかなか難しいですが、いかがだったでしょうか?
ハラハラドキドキして楽しみたい、謎が一つずつ繋がっていく推理を楽しみたい、大どんでん返しのある面白い小説を読みたいという方、非常にオススメです!
是非、読んでみて下さい。
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