[感想]『書けないんじゃない、考えてないだけ。全ての文章は「本気出して考えた時間」で決まる』/かんそう:文章を書く人全員に届け!有象無象の文章術の本とはまるで違う!面白文章を引用して上手い、下手を超越した魅力的な文章を書く方法を解説した一冊

読書

この度は、かんそうさんの『書けないんじゃない、考えてないだけ。全ての文章は「本気出して考えた時間で決まる」を読みました。

文章を書いている人、自分の思いを伝える文章を書きたいけど書けずに悩んでいる人に是非読んで欲しいと心から思った一冊です。

まず、題名から気になりませんか?『書けないんじゃない、考えてないだけ。全ての文章は「本気出して考えた時間で決まる」、、、文章術というものについて書いた本としては今までにない切り口だと思います。実際に読んでみるとそこら中に並ぶ小手先のテクニックと称したなんとも言えない「えっ、これで魅力的な文章が書けるとは思えない…」という内容を取り上げた有象無象の文章術の本とはまるで違います。

本書で解説されている具体的な内容を紹介するのは野暮だと思うため、このブログでは紹介していませんし、一朝一夕では出来ないものもあるかもしれません。しかし、考え方を含め魅力的な文章の書き方についての内容を読むと「こんな所まで考えてるんだ!」という驚きと、「こんなに詳しく教えていいの?」という心配の波が押し寄せてくるそんな感じでした。めちゃくちゃタメになりました!

そして、本書の一番の特徴であり、魅力のひとつは過去に著者が書いた文章や著者が尊敬する人の書いた文章を引用し、それをもとに解説しているという点です。すごい数のアクセスを記録している記事を出すことで内容の説得力が一気に増す。それにわかりやすくなっています

なにより紹介されている文章、そして著者の持論が死ぬほど面白い!!!クスッと笑ったり、時には腹を抱えて笑いました。極論、文章を書きたいと思っていない人が読んでも面白いのではないだろうか、、、、と思ってしまうほどです。

題名にもなっているとおり、”かんそう”さんが長年文章を書き続けた中で考え抜いて身につけた文章を書くときのヒントを惜しげもなくつづった一冊。こんな貴重なものを知ることが出来るなんて本ってスゴイです!特に「文章を書いているけどアクセス数がのびない」、「文章を書きたいけど自分の思いを言葉にできない」という人は読むしかないんじゃないでしょうか。きっと、参考になることが多いと思いますし、なにより文章を書きたいという衝動に駆られるはずです

それでは本書の魅力について解説していきます。

~作品情報~

題名:『書けないんじゃない、考えてないだけ。全ての文章は「本気出して考えた時間で決まる」

著者:かんそう

出版:サンマーク出版

ページ数:351ページ

オーディオブック聴き放題なら – audiobook.jp

目次

  1. 文章を書く人全員に届け!有象無象の文章術の本とはまるで違う!面白文章を引用して上手い、下手を超越した魅力的な文章を書く方法を解説した一冊
    • 私が読んだ動機
    • こんな人にオススメ
    • 作品説明
    • こんなにタネ明かしていいの?著者の今まで書いたバズり文章を引用した解説がめちゃくちゃわかりやすくてためになる!
    • 面白文章を浴びませんか?著者の書く文章に引き込まれすぎて脳と心が幸せ!!!
    • 著者”かんそう”さん、あなた暗い道を照らす救世主メシアですか!?文章は自由だ!書こうとすることこそスゴいことだ!書き続けよう!と文章を書く人間の背中を押してくれる一冊!
  2. まとめ

1.文章を書く人全員に届け!有象無象の文章術の本とはまるで違う!面白文章を引用して上手い、下手を超越した魅力的な文章を書く方法を解説した一冊

私が読んだ動機

  • 自分の思いをより伝えられる文章を書きたいと思ったから
  • 「心に秋本康を飼え」、「最強の表現は恐怖」など帯にあるワードを見て面白そうだと思ったから
  • 「文章力」について「文章について本気出して考えた時間の量」と定義しており、他によくある文章力アップの本と異なる切り口で興味がわいたから
  • 「はじめに」の文章が自身に刺さる部分があり、読んでみたいと思ったから

こんな人にオススメ

チェックポイント
  • 感情が動かされたことを言葉にしたいけれど出来ずに悩んでいる人
  • 自分の思いがより伝わる文章を書きたいと思っている人
  • ブログなど日頃から文章を書いているがアクセス数が伸びず悩んでいる人

作品説明

2014年から、はてなブログにてこの世のカルチャーの全てを集めた個人ブログ「kansou」を運営し、記事数は1000越え、月間PVは最高240万アクセス、累計PVは5000万アクセス、読者登録数は全はてなブログ内で6位の多さを誇る「かんそう」さんが書く「文章が上手い」、「文章が下手」の概念を超越した魅力的な文章が書けるヒントが記されている本。

著者が過去に書いた記事や尊敬する他の人の文章を引用しながら、持論や魅力的な文章を書くためのポイントを解説しているのが特徴。

こんなにタネ明かしていいの?著者の今まで書いたバズり文章を引用した解説がめちゃくちゃわかりやすくてためになる!

「おわりに」でも著者が書いていますが本作の一番の特徴であり、他の文章術の本と大きく異なる点は著者が今までに書いた実際の文章や感銘を受けた文章を引用し、それをもとに文章を書くときに意識していること、考え方を詳しく解説してくれているところです。

私自身、文章術の本を沢山読んだわけではありませんが、読んだものの多くは「主語と述語が関連するように」とか「句読点の位置」とかありふれた情報であったり、説得力に欠ける説明が繰り返されるものが多かった印象です。

本書はそういったなんちゃって文章術解説本とは一線を画しています。実際のバズり文章を用いて解説されているため、伝えたい事が非常にわかりやすいですし、実際にその文章が面白いので言っていることの説得力が段違いです。

本作では「文章力」を「文章について本気を出して考えた時間の量」と定義しています。著者自身が考えて文章を作り出すことの大変さを知っている人であり、考え抜いた末に身につけた文章術という枠で収まらない魅力的な文章の書き方について解説されています。そのため、小手先だけの文章術とは違い私は本書が非常に信用できました。もちろん、こんなに細部まで教えて良いの?と心配になるくらいのタメになる情報ばかりです。

具体的に学びになった内容をここで紹介することは野暮ですし、長くなるため控えますが文章を書く人全員に届いて欲しいと思う充実した内容の一冊です。

文章を普段から書いているがなかなか芽がでない、より人に伝わる文章を書きたいと思っている人、必見です!

面白文章を浴びませんか?著者の書く文章に引き込まれすぎて脳と心が幸せ!!!

前述した通り、本作の特徴であり魅力の1つに著者が以前に書いた記事を引用して文章を書くときのポイントや心得を解説していることがありますが、その引用された文章、かんそうさんの持論がめちゃくちゃ面白いです。もしかしたら好みは別れる文章かもしれませんが、私はめちゃくちゃ引き込まれた一人です!

極端なことを言えば魅力的な文章の書き方について知りたいと思っていない人が読んでもエッセイ的な感じで楽しめると思います。何度も吹き出して笑ってしまいましたし、面白くて一気読みしてしまいました。まず、著者のオタクに対する持論についての文章を紹介します。

真の「雄太駆」は死んだ

余談ですが、たまに「詳しくないジャンルなんですが、私なんかが書いて良いのでしょうか?」「○○に感動したので感想を書きたいんですが、オタクじゃない自分が書くのは気が引けます………」「もう他の人が書いているから自分なんかが書いても意味がないと思ってしまいます………」と相談されることがあります。そんな人には、いつもこう言っています。「うるせぇ書け」と。

まず、あなたはオタクというものを神格化しすぎている。現代社会において本当の意味で「オタク」と呼べる人間は、ほとんど存在しません。

そもそもオタクは自分から「オタク」とは言いません。なぜなら「恥」だからです。私が学生だった18年前、「オタク」といえばバレた瞬間に積み上げてきた生活が一瞬で終わりかねない忌み嫌われし存在「呪いの烙印」「背負ったカルマ」。わかりやすく言えば、「社会不適合者の総称」でした。

後ろから槍で刺されながら泥水をすすって茨の道を歩くことしかできない悪魔の落とし子が、汚れた多くの苦しみを持つ「汚多苦おたく」と呼ばれてきたのです。

オタクとは「油」です。クラスで誰にも話しかけられなくて一人で浮いているか、同じ種類の人間同士で固まって浮いているか、その2種類だけ。油は「汚れ」に変わった瞬間に拭き取られてしまう。だからそれを悟られないよう、必死に擬態して息を潜めて生きてきたのです。

それでも推しを愛さずにはいられない、推しを愛する時間以外はいらない。だから風呂にも入らない。そんな面構えの違う人間達が「汚多苦」を超えて、雄々しく太い駆を持つ「雄太駆おたく」になったのです。

しかし、近年「オタク」「推し」をカジュアルな流行語へと操作させた広告代理店によって全てが変わりました。ただ仕事が休みの日に酒飲みながら彼女とサブスクでアニメ観てるだけの連中が自分から「オタク」と名乗り始め、ただの「好き」の同義で「推し」が使われ始め、TikTokで『恋愛サーキュレーション』に乗ってギャルがダンスを踊った瞬間から「オタク」「推し」という言葉はなんの意味もなくなりました。

オタクだの、推しだの、もうどうでもいいのです。

だからまずは、「オタク」「推し」という言葉を恐れたり、ありがたがるのはやめましょう。その上であえて使わせてもらいますが、今のオタクに優劣などありません。全員等しく一列に並んでいます。オタク歴1日目と10年目どっちが偉いとかないですし、むしろ古参のオタクこそが本当に厄介な存在。推しにとって古参は、小学校のグラウンドの外でフェンス越しに野球部を見て指示出してくる近所のジジイです。

しかし、安心して下さい。

古参は「推しを知らない人間に褒められる」のが何よりの滋養であり、強壮のもとです。養命酒なのです。古参のオタクにとって、新規の「何もわからない状態だったんですが体験したらこんな素晴らしいことが起こりました!」という被験者的な視点は非常に含蓄があります。「俺たちが普段飲んでる変な液が入ったカプセルに全員浸かってほしい」「推しを摂取したことで起こるお前の体内の反応が見たい」そう思うマッドサイエンティストはそこら中に生息しています。

詳しいとか詳しくないとか関係ありません。ただ、あなたの「感動」をありのままに書けばいい。近所のジジイが必ず反応してくれるでしょう。

かんそう「書けないんじゃない、考えてないだけ。」サンマーク出版、142~145頁

文章のスピード感というか、説得力というかがすごくないですか?気になるタイトルから始まり、「詳しくないジャンルを書いていいのか」という疑問にまず答え、そこからオタクに対する分析と彼らの捉えられ方の変化、そして最後は面白いたとえやユーモアを交えながらこんな自分が書いていいのかと悩んでいる人の背中をしっかりと押している。「汚多苦おたく」から「雄太駆おたく」に表現が変わるのも考えられており素晴らしいと思いました。

本書を読むと分かりますが、この引用させていただいた文章にはかんそうさんの文章を書くときのポイントが満載です。本作を読むと、どれもかんそうさん色が出ている文章で面白いな、自分も熱のこもった文章が書けるようになりたいと思わせてくれるはずです。

非常に引き込まれる導入の部分も引用して紹介させていただきます。

はじめに

昨年の6月、担当編集さんから「文章術について本をご執筆いただけないでしょうか?」とメールが来たとき、こう思いました。

「死んでもやるか」と。

「ぼくは普段、こういうことを意識して書いています!すごいでしょ?あなたもこうしましょう!」

とか言うの、この世で最もダサい行為じゃないですか。気を失うほどダサい。こんなもんただの生き恥。文章なんて100%センスで書いてると思われたいじゃないですか。

〔中略〕それなのに、文章術の、本?嫌がらせかよ。

〔中略〕てゆうかまず「文章術」ってなんだよ。「文章」の「術」って。気持ち悪い言葉。その言葉がすでに文章として終わってるし「面白い文章書きたい!」って思って文章術の本買うやつの文章、絶対面白くないだろ。

仮に「文章術」なんてものがあったとして、知らねぇ他人に教えるわけないんですよ。そんな本読むくらい意識高いやつなんて、文章術教えてるやつにとっては「未来の競合」であり「未来の敵」じゃないですか。自分の仕事減るかもしれないのに、持ってる技をなんで他人に教えるんだよ。100年続く秘伝のタレのレシピ昨日できた新店に教えるアホなラーメン屋いないだろ。

だから、文章術とか偉そうに言っても結局は「てにをは」を間違えないようにしましょう!とか、句読点をちゃんとした位置に打ちましょう!みたいに真似されても1ミリも問題ない、耳障りだけはいい上澄みすくったような薄い幼稚テクだけ教えて、どれだけ覚えられても絶対に自分を超えることはない「劣化俺」「劣化私」を量産してるだけ。

そして、薄い文章術の本を読んだ読者がさらに薄まった文章術の本を書き、それをまたその読者が読み、またさらに薄まった文章術の本を書き、それをまたその読者が、

地獄か?????

世阿弥も言ってるんですよ「秘すれば花」って。秘めるからこそ花になる、秘めねば花の価値はないに等しい。

文章術なんて全部インチキで無価値、適当こいて金欲しいだけ。それなのに「誰からも共感されるようになる文章の書き方教えます!」とか言ってくるやつ、ロクな人間じゃないだろ。

〔中略〕もう文章術の本は世界から全て消したほうがいいですし、逆に本当に自分の手の内全部教えてるんだったら、「どうせ言ってもわからないだろ」ってめっちゃ舐められてるか、そもそも「大したことない情報」かの二択。もういっそ、世にある文章術の本一冊ずつ引用して「はい、ここ全然違います。やりなおし」ってツッコむだけの本出したろか?腹立つマジで……。

……みたいな文章を書いている「かんそう」と申します。〔中略〕

なぜ文章術の本を忌み嫌い、軽蔑している私が本を出すのか。

それば素晴らしい文章で溢れる世界にしたいからです。

そして「文章が書けるようになりたい」と願うあなたを救いたい。

あと、どうしても「本を出した実績」が欲しい。『王様のブランチ』のBOOKランキングでワイプに映る佐藤栞里に私の本の紹介を見て笑って欲しい。〔中略〕

そんな私が文字通り「全て」を公開します。

「文章術の本」ではなく、もはや「全裸本」です。田中みな実の写真集よりさらけ出してると言っても過言ではありません。

この本には、有象無象の文章術の本には決して書かれていない「真実」が記されています。これを読めば、「文章が上手い」「文章が下手」の概念を超越した、あなただけの文章が書けるようになります。

かんそう「書けないんじゃない、考えてないだけ。」サンマーク出版、5~11頁

他の文章術の本やそれを書く人への怒り、熱量がすごくて引き込まれましたし、刺さる文章でビックリしました!私自身、この導入を書店で読んで購入を決めた一人です。実際に著者がいう「文章が上手い、下手」の概念を超越した自分だけの文章が書けるようになるヒントが満載で本当に参考になりました。

『自分の中に「イマジナリー秋本康」を飼え』という題目や著者の記事のひとつである『雪かきしてたら鹿賀丈史みたいな顔したババアにキレられた』は特に腹抱えて笑いました。これらの文章だけでも良いので読んでみて欲しいです。読む価値ありです。こんな面白文章を書くかんそうさんの文章術知りたくないですか?是非読んでみて下さい。

著者”かんそう”さん、あなた暗い道を照らす救世主メシアですか!?文章は自由だ!書こうとすることこそスゴいことだ!書き続けよう!と文章を書く人間の背中を押してくれる一冊!

繰り返しになりますが、どんな文体だろうと「その人間が」書き続けていれば自分の血肉となり個性となっていきます。

最初はなかなか反応がもらえないこともあると思います。でも諦めないでください。私も最初はそうでした。

しかし、ブログの読者数が一桁のときから内容や文体を試行錯誤し、休まずに10年書き続けたからこそ、今の自分を手に入れました。

あなたも文章を書き続けていれば、自分の名前を明かさなくても「○○さんの文章かと思ったらやっぱり○○さんだった」と言われる日がきっと来ます。

そして、自分自身が文章そのものになる。その感覚を味わってみてください。

かんそう「書けないんじゃない、考えてないだけ。」サンマーク出版、213、214頁

著者が本書で語っている内容です。

著者のかんそうさんは10年ブログを書き続け、今は記事数は1000越え、月間PVは最高240万アクセス、累計PVは5000万アクセス、読者登録数は全はてなブログ内で6位の多さを誇る方です。

そんなスゴイ人でもこつこつ続ける中で自分の文章を見つけていき、ここまで大きくなった。その事実に非常に希望を与えられました。まさに”かんそう”さんは文章を書くという暗闇の先にある一筋の灯りのような存在です。

文章を愛するかんそうさんの言葉はブログのアクセス数が伸びずに悩んでいる人にとって頑張ろうと背中を押してくれる内容が沢山あると思います。なにより自分の思いを文章にしたいと思っている多くの人が本書に刺激されてなにか文章を書きたくなるのではないでしょうか。(私もInstagramで思わず最近あった心震わされたことや好きなものについて投稿していました)

わかりやすく面白い魅力的な文章を書くためのポイントが参考になることはもちろんのこと、文章を書く自分にとって勇気づけられる言葉が多かったです。本書は自分にとってのエナジードリンクでもあります。文章を書くことに疲れたり、逃げたくなったときにまた読みたいと思いましたし、文章を書くという暗い道を歩んでいるあなたもきっと寄り添ってくれるはずです。

2.まとめ

『「文章=愛」だ。文章を愛したものが文章に愛されるのだ。』

本作を読み終え、はじめの感想がそれでした。そして本書はそれがメインテーマではないかと考えています。

以前、新潟県南魚沼市に本拠地を置くメディア・クリエイション・カンパニーの「自遊人」の代表取締役であり、雑誌「自遊人」を創刊した編集長でもある岩佐十良さんとお話しさせていただく機会がありました。その時に「どうやったら人を魅了する文章が書けますか、何か意識している点はありますか?」とご質問させていただいたのですが、その時の回答が「好きなように書くだけですよ」というシンプルなものでした。

その時は正直あまりピンと来なかったのですが、本書を読んでその言葉の真意が少しだけわかった気がしました。感想を書くため、魅了する文章を書くために何かをやったり考えるのではなく、好きなもの、面白いと思うものに対して心動かされたらその溢れる愛をただただ言葉として紡いでいく、そんな「愛」が溢れた文章が人を魅了するのだと。そして、その対象に対して時にはどうして自分が魅了されたのか分析したり、考えたりすることでより愛の深まった文章が書けるのだと。まさしく著者の”かんそう”さんが書く文章にはそんな愛が溢れており、それが伝わるから人に刺さるのだなと強く感じました。

”かんそう”さんの文章で私が特に魅了されたのは怒りの感情がのった文章でした。前述した「雪かきしてたら鹿賀丈史みたいな顔したババアにキレられた」という文章の他、「美容院」、「サウナ」、「ファックス文化」、「エモい」を使う人々まで……振り返ると怒りの感情が宿った文章が多く、どれも面白かった。

大学時代の先生から「怒りは感情の中で一番エネルギーがあるものです。その怒りを感じるものに対してよく知らないと怒れない。就職するときには自分が怒りを感じる内容に関われると良いですね」と言われたことを思い出しました。先生やかんそうさんが言うとおり、怒るということはその物事に対してよく知り深く考えていないと怒ることができない。つまり「愛」がないと怒れないのだと。

そして気づきました、「文章=愛」なのだと。人を魅了する文章は小手先のテクニックでどうこうするものではなく、テーマに対する深い「愛」や文章をより面白く読みやすくするためにどうしたらよいか考える読者への「愛」が宿っているのだと。

当たり前のことかもしれませんが文章を書く人が忘れがちな文章を書くという根本についても教えてくれる素晴らしい一冊だと思います。本当に文章を書く人に届いて欲しいと心から願います。

オーディオブック聴き放題なら – audiobook.jp

コメント

タイトルとURLをコピーしました